講師とサポーター
1.パソコンの講師
(1)講師・サポーターには、次の3つが必要不可欠です。
- パソコンを使いこなす能力
受講者は、パソコンに少しでも関係があればなんでも質問してきます。但し恐れる必要はありません。受講者の誰よりも経験があるのだ、少なくとも講習している内容については誰よりも自信があるのだ、くらいの態度を見せましょう。
- 好感を持たれるコミュニケーション能力
挨拶、身だしなみ、言葉遣い、態度にかかわることを、普段から鍛えて、自分を磨きましょう。
- 的確なインストラクション能力
テキストどおりの説明も大事ですがそれだけでは、いけません。自分が失敗した経験を話しても良いかもしれません。「ああ、そうだったのか!」「そうそう、それが知りたかったのよ」 と納得させるわかりやすい説明に心がけましょう。
(2)「笑顔、気配り、気長に、聞き上手」が大切です。
(3)講師・サポーターは、パソコンという優れた機械(ソフト)の使い方を手ほどきする説明員です。先生ではないのです。受講者は「お客様」です。
2.講習・サポートのコツ
(1)堂々とする
説明する以上は、自信に満ちた表情や態度を保ちましょう。
(2)誠意が大切
自分が苦手に思う受講者がいる場合は、敬遠しないで積極的に話しかけること。自分が先に誠意を見せると、相手から何か返ってきます。
(3)立ち姿や動作
- 講師は、テキストばかり見ることは、ひかえます。また、スクリーンばかりをみて話すこともやめましょう。部屋全体を見渡して、受講者がついてきているかどうか、話を聞いているかどうかを確認することを心がけましょう。
- 質問には、中腰で目線を合わせて対応すると相手に安心感を与えます。
- 質問された方には、まず感謝の言葉を述べましょう。
- サポーターの立つ位置は、マウス操作が必要になるかもしれないので、なるべくマウス側がよいでしょう。また、後ろの席に座る受講者の邪魔にならないようにしましょう。
- アイコンやボタンは、人差し指やペンを使ってはっきりと指しますが、画面やキーボードを何度も叩かないようにしましょう。
(4)あがりの克服法
- 講習するということは、緊張感が伴いますが、緊張というものはある物事に対して一生懸命がんばろうという証です。緊張はあたりまえで、これが自分として正常だと思いましょう。
- 予習はぬかりなく
予習が出来てないと、自信のない、しどろもどろの説明になります。
- しゃべり方、話し方、アクセントや方言、これらは講師そのものを表しているものとして、歓迎されます。自分にしみついたものを出すのも、その場を和らげる一つの手となるでしょう。
- 体を動かして、体をほぐしておきましょう。
- 出来るだけ受講者とコミュニケーションをとりましょう。
- うなずいてくれる人を見みながらはなすと、自然と落ち着いてきます。
(5)話し方
- ゆっくり話しましょう。
- ひとつ説明したら、少し間をおいて受講者の反応を見てから続きを話すように心がけましょう。
(6)講習のテクニック
- 受講者にとっては、ほとんどの画面は生まれて初めて見る画面ばかりだということを心掛けましょう。初めての知らない街を、講師のガイドで歩くようなものでしょう。
- 受講者は、講師の言うところのクリックするポイントを、まず顔を上げてスクリーンで見て探し確認し、次に顔を下げて自分のPC画面でも探します。その間、受講者にとっては遠くをみたり近くを見たりの過酷な切り替えをしている方も居られるかもしれません。講師が言う通りに、確認してクリックするには、それなりの時間が必要な受講者も居られることでしょう。こうゆう状況を思うと、講師のスクリーンへのポイントは、かなりの長さで続かないといけないでしょう。クリックして画面が切り替わる場合もなおさらです。全員が確認し終わったところで、クリックして画面を切り替えましょう。そうでないと受講者が顔を上げてもう一度確認しようとしても差し棒がそこに無かったり、画面が切り替わってしまうと、迷子になってしまいます。
- 小さいところ細かいところをスクリーンで表示するときは、できるだけ拡大しましょう。
- 大事なところでは「ここは重要な点なのでよく聞いてください」と言って、いったん手を止めてもらい、注目してもらいましょう。
- 説明するときは、出来るだけ一文を短くしましょう。段階ごとに区切ると聞きやすくなります。
- 話し言葉を使いましょう。「~が可能です」ではなく「~ができます」のように・・・
- 語尾の使い方を考えて、「~をしてください」のときは、「~しましょう」や「~して見ましょう」、「~を試してみましょう」、「~します」といろいろ変化をつけるよう工夫しましょう。
- パソコン用語をわかりやすい表現で話す。
- 「何のために」、「何をするのか」を操作の前に説明しましょう。
- 操作説明は、いつでも2回以上繰り返して話すと考えましょう。
- 間違えやすい操作は、わざと失敗するようにしてもいいでしょう。インパクトがあり記憶に残ります。
- 途中で、理解度を測り、「ここまでで質問ありませんか?」と聞く。
- 同じ人にばかり対応しない、出来るだけ受講者には公平に・・・
- 休憩をとり、リフレッシュしましょう。
- 私語が目立つときはさりげなく注意を・・・
- 新聞やテレビで話題になっている事柄を講習に取り入れると、印象に残ります。
- 復習が大切です。冒頭で前回の復習をするとよいでしょう。
- ほめるようにしましょう。特に質問を出していただいた方には。
3.サポーターについて
(1)サポーターの心得
- 自分から積極的に様子を見てまわりましょう。
- 講師の説明の妨げにならないよう小声で話しましょう。
- 講師の間違いに気が付いた時は、授業の流れに影響しない内容であれば休憩時間に、その場で訂正した方がよければ、講師の信頼感を失わせないように伝えましょう。メモに書いて知らせるなど。
- 「今の説明よりもっと便利な方法がありますよ」と講師とは違う方法を教えて、受講者を混乱させることは控えましょう。
- 説明の仕方を吸収することも重要ですが、自分の失敗や受講者のつまずくポイントを把握することのほうがずっと役に立ちます。これらを紹介しながらの説明は、しっかりと受講者の心に残るでしょう。
(2)電源を投入したのち、立ち上がるまでに警告のメニューや、バルーン(吹き出し)やトーストメッセージが出てきます。
必ず読むようにし、その理由と対処方法を知っておきましょう。
- Windows Update・・・更新中であることが分かる
- ウイルスセキュリティの更新
(3)その他、気が付いたこと
- 講習日の前日には、少なくともテキストをもとに予習をして参加しましょう。
受講者の身近にいるため、直接質問されます。的確な答えが出せるよう事前によく勉強し、疑問点は解決しておきましょう。
答えが不明の時他のサポーターを呼びますが、受講者の周りに何人ものの人が取り囲まないようにします。
- マウスを自分で持ってしまわないようにしよう。
口で説明できないので、マウスを取り上げて自分でやってみる訳ですが、受講者に「マウスを貸してください」と断ってから操作しましょう。操作が終わったら、可能であれば、元の状態に戻しておきましょう。受講者の代わりに「やってあげて」はいけません。
- 受講者の質問に長々と答えているサポーターがいます。
それは講師の授業の邪魔をしているサポーターです。質問には簡潔に答え、受講者を授業に戻してあげましょう。講師が話している間、サポーターは、受講者と話をしてはいけません。
- 受講者を呼ぶときに「あんた」というのを耳にしました。
受講者はお金を払って来ているお客様です。不愉快な思いをさせないように心を配りましょう。
- ボランティアのサポーターとそうでない場合の違い
職業としている場合は、講習会の日を選べませんが、ボランティアサポートですと都合が悪い
と休むことができます。しかし講習会が始まってしまえば、両者は同じです。ボランティアの
サポーターだからと言って、あいまいなサポートで良いわけではありません。